
請求書カード払いの弱点は3つです。手数料がかかること(ワンバンクは初回1.9%・2回目以降3%、税別)、カードの利用枠を使うこと、カードの支払日に残高が必要なこと。
逆に言えば、この3つが問題にならないなら使える手段です。ファクタリングの10〜14%と比べればコストは5分の1以下で、借入にもあたりません。
この記事では、向かない人・使えない支払いを先に示し、5つのデメリットと33万円の試算、申し込み前の確認手順をまとめます。
先に確認:向く人・向かない人
| 判断 | 条件 | 理由 |
|---|---|---|
| 向く | 国内の法人か、インボイス登録済みの個人事業主への事業の支払いで、支払期日まで1営業日以上ある | 営業日12時までの申し込みで最短当日に振込される |
| 向く | カードの支払日までに引き落とし分を用意できる | 先延ばしした後に残高不足を起こしにくい |
| 向く | 1件3万円以上、まとまった支払いを1本だけカードにしたい | 初回1.9%(税別)が効きやすい |
| 向かない | 今日中に着金が必要で、すでに12時を過ぎている | 翌営業日の振込になる |
| 向かない | カードの利用枠に、振込額+手数料の余裕がない | 決済できない。ほかのカード利用にも影響する |
| 向かない | 毎月同じ取引先に少額を何件も払う | 2回目以降3%(税別)が積み上がる。率の低い他社や振込のほうが安いことがある |
| 使えない | 税金、社会保険料、給与、役員報酬、居住用の家賃、個人への送金、現金化目的 | ワンバンクの対象外です |
| 別の手段 | 自社が発行した請求書の入金を早めたい | 請求書カード払いでは自社口座にお金は入らない。請求書買取(ファクタリング)の領域です |
主要16社のなかでいくら安いのか
支払金額ごとの手数料を実額で並べると次のようになります(2026年9月29日時点、各社公式サイトの記載をもとに当社が計算。税別・非課税の別は各社の表記のまま)。
| 支払金額 | ワンバンク(初回1.9%) | ワンバンク(2回目以降3%) | Finto(2.5%、5万円以下は1,400円) | マネーフォワード(2.7%、10万円以下は3,000円) | 支払い.com(4%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 3万円 | 570円 | 900円 | 1,400円(4.7%相当) | 3,000円(10.0%相当) | 1,200円 |
| 10万円 | 1,900円 | 3,000円 | 2,500円 | 3,000円 | 4,000円 |
| 100万円 | 19,000円 | 30,000円 | 25,000円 | 27,000円 | 40,000円 |
| 300万円 | 57,000円 | 90,000円 | 75,000円 | 81,000円 | 120,000円 |
| 1,000万円 | 190,000円 | 300,000円 | 250,000円 | 270,000円 | 400,000円 |
差が開くのは少額です。最低手数料や一律料金があるサービスは、3万円の支払いで4.7〜10.0%相当になります。ワンバンクは1件3万円から率で課金し、最低手数料はありません。高額になると率の差がそのまま金額の差になり、1,000万円では初回1.9%と3%で11万円、4%とでは21万円の開きです。
還元率1%のカードで払えば、初回の実質負担は 0.9% です(手数料1.9% − ポイント1%)。ポイント付与の可否はカード会社の規定によります。
請求書カード払いの5つのデメリット
1. 手数料が支払額に上乗せされる
ワンバンク請求書カード払いの手数料は、初回が振込金額の1.9%(税別)、2回目以降が3%(税別)です。振込手数料はワンバンクが負担し、月会費・登録料も0円ですが、手数料そのものはなくなりません。
銀行振込なら0円で済む支払いに、10万円あたり1,900円(初回)または3,000円(2回目以降)を払う価値があるかで判断してください。目安は「その60日でいくらの資金繰りが楽になるか」です。カードのポイント還元(1%なら10万円で1,000円分)を引いても、2回目以降は2%相当が残ります。
2. カードの利用枠を使う
必要な利用枠は、請求書の振込額だけでなく、手数料(税込)を含むカード決済総額です。決済後に利用枠が戻る時期はカード会社の締め日・支払日で決まるため、取引先への振込と同時に戻るわけではありません。
100万円の支払いを2回続けると、利用枠が200万円以上ないと2回目が通りません。月の利用枠が小さい個人カードで使うときは、枠の残りを先に確認してください。
3. 支払期日に間に合わないことがある
ワンバンクは営業日12時までの申し込みで最短その日のうちに振込します。12時を過ぎた申し込みと土日祝の申し込みは翌営業日です。振込予定日は申し込みの時刻をもとに自動で決まります。
支払期日が今日で、いま12時を過ぎているなら間に合いません。取引先に連絡して期日を調整するか、別の支払い方法を使ってください。振込手続きが行われた日と、取引先の口座に着金する時刻は、銀行の営業時間で変わることもあります。
4. カードの支払日にお金が必要になる
請求書カード払いは支払いをなくす仕組みではなく、取引先への支払いと自社口座からの出金の時期をずらす仕組みです。申し込み日、振込日、カードの締め日・支払日の組み合わせで最大約60日の余裕が生まれますが、常に60日延びるわけではありません。締め日直後に申し込めば60日近く、締め日の直前なら30日程度です。
デビットカードとプリペイドカードは決済時に残高から引かれるので、支払いを延ばす効果はありません。延ばしたいならクレジットカードを使ってください。
5. 対象外の支払い・審査・キャンセルの条件がある
ワンバンクは事業上の銀行振込を対象にし、申し込み時に簡易な審査を行います。請求書の内容が事業上の支払いと確認できない場合は使えません。支払い先は国内の法人、または適格請求書発行事業者(インボイス登録済み)の個人事業主です。登録のない個人への支払いには使えません。ワンバンクが申し込みを承諾した後はキャンセルできません。
「カードがあれば必ず使える」とは考えず、支払い先・費目・振込日・カードの承認・キャンセル条件を、申し込みを確定する前に確認してください。
33万円の支払いで費用と利用枠を試算

取引先への振込額33万円、初回の手数料1.9%(税別)、消費税10%で計算します。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 取引先への振込額 | 額面 | 330,000円 |
| 手数料(税別) | 330,000円 × 1.9% | 6,270円 |
| 手数料の消費税 | 6,270円 × 10% | 627円 |
| 手数料(税込) | 6,270円 + 627円 | 6,897円 |
| カード決済総額 | 330,000円 + 6,897円 | 336,897円 |
この場合、カードの利用枠が336,897円以上必要です。2回目以降は3%(税別)なので、手数料は税込10,890円、カード決済総額は340,890円になります。
金額が大きくなっても計算は同じです。300万円なら初回の手数料は税込62,700円でカード決済総額は3,062,700円、1,000万円なら税込209,000円で10,209,000円です。高額の支払いほど、先にカードの利用枠を確認してください。端数の処理と最終的な決済総額は申し込み画面の表示を正として確認してください。
請求書カード払いと請求書買取の違い
| 比較項目 | 請求書カード払い | 請求書買取(ファクタリング) |
|---|---|---|
| 対象 | 自社がこれから支払う請求書 | 自社が発行して入金を待っている請求書 |
| お金の行き先 | ワンバンクから取引先へ振込 | ワンバンクから自社口座へ入金 |
| 目的 | 支払いを最大60日先に延ばす | 入金を最短30分で前倒しする |
| 手数料 | 初回1.9%・2回目以降3%(税別) | 10〜14% |
| 確認すること | 手数料、利用枠、振込日、カードの支払日 | 手数料、手取り額、審査、入金時期 |
取引先への支払いを遅らせずに自社の出金を調整したいなら請求書カード払い、自社口座へ早くお金を入れたいなら請求書買取です。両方の違いは請求書買取と請求書カード払いの違いで詳しく説明しています。
それでも使うと決めたら、会社ごとの手数料・対応カード・支払い先の条件を請求書カード払いおすすめ16社の比較で比べてください。仕組みの基本は請求書カード払いとは?にまとめています。
申し込み前の確認手順
- これから払う請求書か(入金待ちの請求書は対象外)
- 支払い先は法人かインボイス登録の個人事業主か
- 費目は事業の経費か
- 支払期日に、営業日12時の締切で間に合うか
- カードの利用枠は、振込額+手数料(税込)より多いか
- カードの支払日に引き落とし分を用意できるか
- 申し込み画面の総額を見てから確定したか(承諾後はキャンセル不可)
よくある質問
Q. 請求書カード払いは無料ですか?
A. 無料ではありません。月会費・登録料と振込手数料の利用者負担はありませんが、振込金額に対する手数料がかかります。ワンバンクは初回1.9%(税別)、2回目以降3%(税別)です。
Q. デビットカードやプリペイドカードも使えますか?
A. Visa・Mastercardのデビットカードとプリペイドカードに対応しています。ただし決済時に残高から引かれるため、クレジットカードのように支払いを延ばす効果はありません。発行会社の残高や個別の制限で使えない場合もあります。
Q. カードのポイントで手数料を相殺できますか?
A. 還元率1%のカードなら、初回1.9%の手数料は実質0.9%相当になります。ただしポイントの還元率と付与対象はカード会社・カード種別で異なり、請求書カード払いが対象外のカードもあります。
Q. カードの利用枠は取引先への振込後に戻りますか?
A. 振込後にすぐ戻るわけではありません。カード会社の締め日・支払日を過ぎて、支払いが確定してから戻るのが一般的です。
Q. 審査なしで使えますか?
A. 審査なしではありません。申し込み時に簡易な審査があり、カード会社による決済の承認もあります。
ワンバンク請求書カード払いの条件
- 手数料 初回1.9%(税別)・2回目以降3%(税別)。月会費・登録料・追加費用は0円
- 1件3万円から1,000万円まで。支払い先は国内の法人、または適格請求書発行事業者(インボイス登録済み)の個人事業主
- 営業日12時までの申し込みなら最短その日のうちに振込。12時以降と土日祝の申し込みは翌営業日
- Visa・Mastercard(デビット・プリペイドも可)。法人カード・個人カードのどちらでも申し込めます
- 振込名義は自由に設定でき、取引先への通知はありません
- 支払いを最大60日先延ばしできます(日数はカードの締め日・支払日で決まります)
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ワンバンク請求書カード払いは、株式会社スマートバンク(資金移動業者 関東財務局長第00084号)が東証プライム市場上場のオリエントコーポレーションと共同運営する請求書カード払いサービスです。初回手数料1.9%(税別)、月会費・登録料・追加費用は0円です。
自社が発行した請求書の入金を早めたい場合は目的が違います。ワンバンク請求書買取など、売掛金の前倒し手段を比べてください。
(更新日: 2026年10月7日)