ワンバンクマガジン

ワンバンクマガジンは、支出管理や節約、貯金に関するお役立ち情報を発信するWebメディアです。AI家計簿アプリ「ワンバンク」が運営しています。

ワンバンクマガジン

家計簿の、その先へ。

同棲の初期費用はいくら?敷金・礼金は必ずかかるわけではない|内訳と2人での分担【2026】

同棲の初期費用でいちばん誤解されているのは、敷金と礼金が必ずかかると思われている点です。国土交通省の調査では、敷金があった世帯は51.9%、礼金があった世帯は43.1%でした。物件の選び方だけで、初期費用は家賃1〜2ヶ月分変わります。

そしてもう1つ。同棲を始めた2人が毎月いくら使っているかは、これまでどこにも出ていませんでした。ワンバンクで共同の財布を作ったペアのデータでは、共同の財布を通る金額は数ヶ月かけて月4万円前後に定着します。初期費用を用意したら終わり、ではありません。

この記事では、内訳を政府統計の原典で押さえたうえで、実際のペアがどう払っているかを自社のデータで示します。

立て替えと精算を、はじめからなくす

2人の共同の財布から支払えば、どちらがいくら払ったかを覚えておく必要がありません

→ 2人の共同財布を無料でつくる

同棲の初期費用の内訳

大きく3つに分かれます。賃貸契約費用、引越し費用、家具・家電費用です。このうち金額が読みやすいのは賃貸契約費用だけで、残り2つは条件によって大きく動きます。

賃貸契約費用:敷金・礼金は必ずかかるわけではない

基準になる家賃の水準は、国土交通省の住宅市場動向調査で確認できます(令和7年度調査、三大都市圏の民間賃貸住宅が対象です)。民間賃貸住宅に入居した世帯の月額家賃は、三大都市圏の平均で83,381円、まんなかの人で74,000円でした。共益費は平均4,837円が別にかかります。

項目 金額(月額)
家賃 平均(三大都市圏) 83,381円
家賃 まんなかの人(三大都市圏) 74,000円
首都圏 平均 94,068円
中京圏 平均 63,447円
近畿圏 平均 71,965円
共益費 平均 4,837円

同棲では単身向けの1Kより広い間取りを選ぶことが多いため、家賃はこの水準より上がりやすくなります。家賃が上がると、そこに連動する敷金・礼金・仲介手数料もまとめて増えます。

ここで効いてくるのが敷金と礼金です。同じ調査では、敷金・保証金があった世帯は51.9%で、そのうち64.4%が家賃1ヶ月ちょうどでした。礼金があった世帯は43.1%、そのうち73.4%が1ヶ月ちょうどです。逆に言えば、敷金や礼金が発生しなかった世帯も、およそ半分を占めています。

項目 発生した世帯の割合 そのうち「家賃1ヶ月ちょうど」
敷金・保証金 51.9% 64.4%
礼金 43.1% 73.4%

初期費用を下げたいなら、節約術より先にここを見てください。敷金なし・礼金なしの物件を候補に入れるだけで、家賃1〜2ヶ月分の差になります。同じ家賃・同じ広さでも、初期費用だけが数十万円違うということが起こります。

このほかに前家賃、仲介手数料、火災保険料、鍵交換費用がかかります。仲介手数料の上限は宅地建物取引業法に基づく国土交通省告示で決まっていて、貸主と借主が支払う金額を合わせて家賃1ヶ月分+消費税以内です。居住用の建物では、借主が負担するのは原則0.5ヶ月分+消費税までで、媒介を依頼するときに承諾していれば1ヶ月分+消費税を借主だけが支払う契約も認められています。実際には借主が1ヶ月分を請求される契約をよく見かけますが、それは承諾を前提とした運用で、原則は0.5ヶ月分です。契約前に、仲介手数料が何ヶ月分か、承諾書にサインする書類があるかを確認してください。火災保険料と鍵交換費用は物件や不動産会社によって金額が変わるため、こちらも契約前に内訳を書面で出してもらってください。

積み上げると、賃貸契約時にかかる金額は家賃の1〜4ヶ月分という幅になります。敷金・礼金がどちらもない物件なら前家賃と仲介手数料が中心で下限に近づき、両方が1ヶ月ずつかかる物件では上限に近づきます。これは上記の内訳から本記事で積み上げた試算です。初期費用の合計額を示す公的な統計はありません。

引越し費用:公的な料金統計は存在しない

引越し料金には、相場として提示できる公的な数字がありません。総務省の消費者物価指数と小売物価統計調査を確認しましたが、引越し料金だけを追った価格の系列は見当たりませんでした。家計調査の収支項目には「運送料」があり、その内訳対象に引越代が含まれていますが、これは世帯がいくら使ったかを示す支出の統計で、料金の相場を示す価格の統計ではありません。国土交通省が公表しているのは標準引越運送約款、つまり契約条件のひな型で、こちらも料金の統計ではありません。

そのため「相場は何万円」という数字は、いずれかの事業者が自社の受注データや利用者アンケートから出した数字ということになります。参考にはなりますが、自分たちの荷物量・距離・時期での金額とは別物です。

金額を知る確実な方法は見積もりです。実務的にはこの3点が効きます。

  • 3社以上から見積もりを取る:同じ条件でも事業者によって金額が変わります。1社だけでは高いか安いかの判断ができません
  • 3〜4月を避けられるなら避ける:進学・就職・異動による移動が集中する時期です。料金は上がりやすく、希望日も埋まりやすくなります
  • 運ぶ荷物を先に減らす:料金は荷物量と作業量で決まります。2人分の家具・家電が重複しているなら、運ぶ前に処分・売却の判断を済ませておくほうが安くなります

家具・家電:一度にそろえきらなくてよい

家具・家電は、同棲の初期費用でもっとも幅が大きい項目です。どちらか一方の持ち物を引き継ぐか、新生活を機に一式そろえるかで金額が変わります。

一括で買う金額の公的統計はありませんが、日常的にどれくらい出ていくかは家計調査で確認できます。二人以上の世帯(平均世帯人員2.88人)の家具・家事用品への支出は、月あたり12,788円でした。家具・家事用品は初期に買い切るものではなく、毎月一定額が出ていく項目だということです。

そう考えると、同棲の開始時点で一式そろえきる必要はありません。優先順位はこう置くのが現実的です。

  • 重複する大型家電は片方を残す:冷蔵庫・洗濯機・電子レンジのように2台あっても1台しか使わないものは、年式と性能のよい方を残し、もう一方を処分または売却します。金額の差がもっとも大きく出るところです
  • 2人で使うものから買う:ベッド、ダイニングテーブル、ソファのように2人で使うから買い直す必要があるものは、初期に必要です。1人用の家具は片方の持ち込みで足りることが多くあります
  • すぐ要らないものは後に回す:実際に暮らしてみないと、必要な収納量も置き場所も決まりません。先に買って置き場所に困る例は珍しくありません

同棲を始めた2人は、共同の財布から毎月いくら払っているか

ここからはワンバンクでふたりの共同口座を作ったペアのデータです。ペアリングが完了した日からの経過月ごとに、共同の財布を通った金額を見ます。

開設からの経過 月間の支払い(まんなかの人)
1ヶ月目 約2.5万円
2ヶ月目 約3.8万円
3ヶ月目 約3.9万円
4〜6ヶ月目 約4.1万円

意外なことに、支払いがもっとも少ないのは1ヶ月目です。2ヶ月目に約3.8万円へ上がり、そこから4ヶ月目以降はほぼ横ばいになります。開設した月は日数が丸1ヶ月に満たない場合があるため単純な比較はできませんが、2ヶ月目以降が安定していることから、共同の財布が本格的に回り始めるのは2ヶ月目からと読めます。

カテゴリごとに見ても同じ形です。

カテゴリ 1ヶ月目 4〜6ヶ月目
食品 約1.1万円 約1.9万円
外食 約6,300円 約9,300円
生活用品 約3,600円 約4,500円

ここから言えることは2つあります。

1つは、初期費用を用意したら終わりではないということです。同棲が始まって数ヶ月後には、共同の財布を通る金額が月4万円前後で定着します。初期費用だけを見て資金を組むと、暮らし始めた直後に足りなくなりやすくなります。

もう1つは、共同の財布は同棲を始める前に用意しておくほうが早く回るということです。1ヶ月目の支払いが少ないのは、2人の支払いがまだ共同の財布に集まりきっていないためでもあります。物件を決めて引越し費用や家具を買う段階から使えるようにしておけば、立て替えと精算が最初から発生しません。

出典: ワンバンクのペア口座の匿名統計(2025年1月〜2026年1月にペアリングが完了した口座。金額はまんなかの人の値で、母集団から機械的に抽出したサンプルでの集計)。現金・他社カード・口座引落は含みません。

契約と手続きで先に決めておくこと

金額とは別に、先に決めておかないと後戻りが発生する項目があります。物件を決める前に2人で確認してください。

  • 二人入居が可能な物件か:単身者向けとして募集されている物件では、2人での入居が認められない場合があります。内見の前に確認するほうが早く進みます
  • 契約者をどちらにするか:賃貸契約の名義は1人になるのが一般的で、もう一方は同居人として申告します。名義人になった側に契約上の責任が集まるため、更新や解約の手続き、退去時の精算をどちらが担うかも合わせて決めておくと揉めにくくなります
  • 支払いのタイミング:初期費用は、申込から契約までの短い期間にまとめて請求されることが多くあります。どちらの口座から出すか、いつまでに用意するかを先に決めておかないと、片方が一時的に立て替える形になりがちです

2人でどう分担するか

初期費用は金額が大きいため、支払い方を決めておかないと後で揉めやすい項目です。代表的な分担方法は次の3つです。

折半(50:50) 最もシンプルですが、収入差がある2人にとっては負担感が均等になりません。

収入比に応じた按分 収入の多い方が多めに負担する方法です。公平感は出やすい一方、支払いのたびに「今回はどちらがいくら払うか」を計算する手間があります。

どちらか一方が立て替えて後から精算 支払い自体はスムーズですが、賃貸初期費用・引越し業者・家具店・家電量販店と支払い先が分散するため、レシートを集めて後日まとめて精算する作業が必要になります。金額が大きいだけに、精算のタイミングがずれるとどちらかが一時的に大きな額を立て替えたままになりがちです。

3パターンとも共通する弱点は、支払いの記録が2人の手元にバラバラに残ることです。折半でも収入比でも「実際にいくら払ったか」を突き合わせる作業自体は残りますし、立て替え方式ならその作業がそのまま精算の手間になります。

実際のペアがどうしているかも、データで見えています。ワンバンクの共同口座では、2人ともが入金しているペアが61.9%でした。また入金は月に複数回に分けて行うパターンが68.8%を占めます。片方がまとめて負担するのではなく、2人で少しずつ入れながら運用している形が多数派です。

出典: ワンバンクのペア口座の匿名統計。比率のみを公開しています。

立て替え・精算の手間をなくす方法

分担ルールを決めても、実際の支払いは不動産会社・引越し業者・家具店・家電量販店とバラバラの場所で発生します。どちらかが立て替えて、後からレシートを見ながら精算する運用は、金額が大きい同棲初期費用ほど負担になります。

この「立て替えてから精算する」構造そのものをなくす方法として、最初から2人の共同の財布で支払う仕組みがあります。

ワンバンクペアカードとは

ワンバンクは、夫婦・カップルなど2人でお金を管理するアプリです。中核機能の「ペアカード」は、2人で1つの残高を共有し、それぞれの名義のVisaプリペイドカードで支払う仕組みです。

  • ① 共同の残高にお金を入れる
  • ② 2人がそれぞれ自分のカードで支払う
  • ③ 原則、利用後すぐに2人のアプリへ通知され、履歴を共有できます

クレジットカードのような与信審査はなく、申込み時の本人確認でカードを発行できます(あとばらいチャージだけは、チャージのたびに審査があります)。申込みはアプリで完結します。本人確認後、バーチャルカードは最短1分で発行でき、ICカードは配送後に利用開始手続きが必要です。

引越し代や家具・家電の購入など、カードで支払える費用を最初からこの共同の財布で支払えば、そもそも「誰が立て替えたか」が発生しません。支払った瞬間に履歴がもう一方にも届くため、後からレシートを集めて精算する手間自体をなくせます。なお、賃貸契約時の敷金・礼金・仲介手数料などは銀行振込での支払いが一般的で、この対象には含まれません。

前述の3パターンに当てはめると、折半なら2人でそれぞれ決めた金額を共同の残高に入金するだけで済み、収入比の按分も入金額を変えるだけで対応できます。立て替え方式のように「誰が払ったかをあとから思い出す」作業自体が要らなくなる点が、支出を記録するだけのアプリと異なるところです。

よくある質問

Q. 同棲の初期費用は合計でいくら用意すればいいですか。 初期費用の合計額を示す公的な統計はありません。金額は家賃と、敷金・礼金の有無で大きく変わります。確実なのは、住みたいエリアの家賃を1つ決めて、そこから積み上げる方法です。本記事の内訳では、賃貸契約時にかかる金額は家賃の1〜4ヶ月分という幅になります。これに引越し費用(見積もりで確認)と、新しく買う家具・家電を足して見積もってください。

Q. 初期費用を下げるのに、いちばん効くのは何ですか。 敷金・礼金のない物件を候補に入れることです。国土交通省の調査では敷金があった世帯は51.9%、礼金があった世帯は43.1%で、どちらも必ずかかるものではありません。両方が1ヶ月ずつかかる物件と、どちらもない物件では、家賃1〜2ヶ月分の差になります。

Q. 引越し費用の相場はいくらですか。 引越し料金の相場を示す公的な統計は見当たらないため、相場として提示できる公的な数字はありません。金額は荷物量・距離・時期で決まるので、3社以上から見積もりを取って比較してください。3〜4月は移動が集中し、料金も希望日の確保も不利になります。

Q. 初期費用は2人でどう分担するのが一般的ですか。 決まったルールはなく、折半・収入比に応じた按分・どちらかが立て替えて後で精算する、の3パターンが代表的です。ワンバンクの共同口座では2人ともが入金しているペアが61.9%で、片方がまとめて負担する形は多数派ではありません。どの方法でも、支払いが複数の場所に分散するため、記録をどう残すかが精算の手間を左右します。

Q. 初期費用を用意したあと、毎月はいくらかかりますか。 ワンバンクの共同口座のデータでは、共同の財布を通る金額はまんなかの人で1ヶ月目が約2.5万円、2ヶ月目が約3.8万円で、4ヶ月目以降は約4.1万円で横ばいになります。内訳は食品・外食・生活用品が中心です。初期費用だけを見て資金を組むと、暮らし始めた直後に足りなくなりやすい点に注意してください。

立て替えと精算を、はじめからなくす

2人の共同の財布から支払えば、どちらがいくら払ったかを覚えておく必要がありません

→ 2人の共同財布を無料でつくる

参考・出典


共同の財布・共有口座の仕組み自体は夫婦・カップルの共有口座の作り方を解説した記事で解説しています。銀行の代理人カードとの違いは、ワンバンクへの入金に対応している金融機関の一覧にまとめています。