日本の銀行では、2人の名前を並べた共同名義の口座は一般に取り扱いがありません(一般的な仕組みは夫婦・カップルの共有口座の作り方を解説した記事で解説しています)。三菱UFJ銀行にも共同口座はありませんが、似た名前の2つの制度があり、混同されがちです。「代理人カード」(本人名義の口座にもう1枚発行するキャッシュカード)と「家族カード」(クレジットカードの追加カード)です。この2つは別の商品で、対象も条件も異なります。
三菱UFJ銀行で夫婦・カップルが口座を共有する方法
「代理人カード」と「家族カード」は別物
三菱UFJ銀行で家族に使ってもらえるカードを探すと、この2つの名前に行き当たります。
- 代理人カード:普通預金口座のキャッシュカードを、もう1枚発行する仕組み。クレジットカード機能はありません。
- 家族カード:クレジットカード「三菱UFJ-VISA」の追加カード。本人会員と同じクレジットカード機能・付帯サービスを使えます。
日常の生活費をキャッシュカードで引き出して分担したいなら代理人カード、クレジットカードの支払いを分担したいなら家族カードが対象です。両方を混同したまま窓口に行くと案内が噛み合わないので、まず自分がどちらを求めているかを整理してから申し込みましょう。本記事では、銀行口座そのものを2人で使う話として、主に代理人カードを扱います。
代理人カードとは何か
三菱UFJ銀行では、本人カードに加えて代理人用のICキャッシュカードを発行できます。本人カードがデビット一体型でも、代理人カードにはデビット機能は付きません。三菱UFJ-VISAのスーパーICカードにも代理人カード制度があります。発行は1名さままでで、クレジットカード機能はありません。名義は口座開設者本人のままで、パートナーの名前が口座に加わるわけではないのは、他行の代理人カード制度と同じです。
申込条件
三菱UFJ-VISAの代理人カードについては、公式FAQで以下の条件が案内されています(通常のICキャッシュカードの代理人カードの申込条件は公式に確認できませんでした。窓口でご確認ください)。
本人会員さまと生計を同一にするご親族さま1名に限り、お申し込みいただけます。原則として成人の方が対象となりますが、満16歳以上であればお申込可能です。
つまり配偶者・親・子など「生計を同一にする親族」が対象で、続柄の具体的な範囲や、婚姻関係のないパートナーが対象になるかどうかまでは公式サイトに明記がありません。事実婚や交際中のカップルで申し込みたい場合は、窓口で個別に確認してください。
申込みは当行本支店の窓口で行います。持ち物はスーパーICカードと、申込口座のお届出印です。年会費・発行手数料はいずれも無料と案内されています。
代理人カードでできること・できないこと
代理人カードはキャッシュカードなので、ATMでの入出金など基本的な取引に使えます。一方で、振込やATM操作をどこまで代理人カード単独で行えるかという具体的な権限範囲は、公式FAQに明記が見当たりません。
紛失・盗難時の手続きは「口座名義人ご本人さま」が行うことになっています。カードの種類により、三菱UFJ銀行アプリやかんたん手続アプリで利用停止・解約の手続きができる場合と、窓口での手続きが必要な場合があります(貯蓄預金の代理人カード再発行や印鑑の紛失を伴う場合は窓口での手続きが必要です)。暗証番号の再登録を代理人自身が行えるかどうかは、公式には明記がありません。
なお、三菱UFJデビット(本人のみのデビットカード)には家族カードの取り扱いがなく、1口座につき本人カードが1枚発行される仕組みです。代理人カードをデビット機能付きに切り替えることはできません。
家族カード(クレジットカード)の対象者
参考までに、クレジットカードの家族カードは「本人会員と生計をともにする配偶者・ご両親・お子さま(高校生を除く満18歳以上)」が対象です。本人会員が学生または未成年の場合は申し込めません。こちらは口座の共有ではなく、クレジットカードの利用枠を家族で分け合う仕組みです。
自動送金・送金まわり
生活費を毎月一定額やり取りするなら、三菱UFJ銀行の「定額自動送金サービス」が使えます。引落口座(普通預金・当座預金)から、指定した送金先(他行口座も可)へ、毎月または特定月の指定日に自動で振り込む仕組みです。送金額は一定額のほか、ボーナス月など年3回まで異なる金額の指定もできます。送金期間は最長5年で、継続する場合は窓口での再申込みが必要です。
手数料は送金の都度、振込手数料と取扱手数料の合計がかかります。他行あての場合、3万円未満は319円(振込264円+取扱55円)、3万円以上は605円(振込550円+取扱55円)です。当行同一支店あてなら110円、当行他店あてなら165〜385円と、送金先によって差があります。申込みは窓口のみで、通帳またはキャッシュカード・お届出印・本人確認書類が必要です。
なお、振込依頼人名を引落口座の名義と異なる名前にする場合は「生計をともにするご親族さま」に限るという条件が付きます。
10万円以下の個人間送金であれば、「Bank Payことら送金」を使うと手数料無料で送れます。夫婦間で毎月決まった額を送るなら定額自動送金、都度金額が変わるなら三菱UFJダイレクト(インターネットバンキング)の振込やことら送金が現実的な選択肢です。三菱UFJダイレクトでの振込手数料は、当行あてが無料、他行あてが3万円未満154円・3万円以上220円です。
できないこと・注意点
「家族カード」という言葉が2つの商品を指すので注意が必要です。 クレジットカードの追加カードと、キャッシュカードの代理人カードを混同したまま申し込むと、窓口でのやり取りが噛み合いません。口座のお金を家族で使いたいなら代理人カード、クレジットカードの支払いを分担したいなら家族カードと、目的で区別してください。
申込みは窓口が前提です。 代理人カードも定額自動送金サービスも、スーパーICカードや通帳、お届出印を持って窓口へ行く必要があります。続柄の具体的な範囲や婚姻関係のないパートナーが対象になるかは、公式に明記がないため個別確認が必要です。
利用通知・履歴共有には限界があります。 代理人カードは別のキャッシュカードにすぎず、パートナーの支出をリアルタイムで通知・可視化する機能はありません。見える化を重視するなら、口座やカードの利用明細を集約できる別の仕組みが必要です。
銀行が認めた代理人にカードを発行できれば、同じ口座でATM入出金等を行えます。婚姻関係のないパートナーを代理人として指定できるかは、申込み前に窓口で確認してください。ただし発行には窓口へ出向く必要があります。代理人カードによる入出金は口座明細で確認できますが、引き出した現金の具体的な使途までは分かりません。一方、ワンバンクペアカードでは、カード決済の金額や加盟店などを原則利用後すぐに2人で確認できます。この足りない部分を、口座はそのままに補う方法があります。
三菱UFJ銀行×ワンバンク併用の形
ワンバンクペアカードとは
ワンバンクは、夫婦・カップルなど2人でお金を管理するアプリです。中核機能の「ペアカード」は、銀行口座ではなく、2人で1つの残高を共有し、それぞれの名義のVisaプリペイドカードで支払う仕組みです。3秒で言うと、こうなります。
- ① 共同の残高にお金を入れる
- ② 2人がそれぞれ自分のカードで支払う
- ③ 原則、利用後すぐに2人のアプリへ通知され、履歴を共有できます
クレジットカードのような与信審査はありません(お申し込み時の本人確認は必要です)。申込みはアプリで完結します。本人確認後、バーチャルカードは最短1分で発行でき、ICカードは配送(平均5〜7日)後に利用開始手続きが必要です。銀行口座のお金で支払う感覚に近いですが、実際の仕組みはチャージした残高をVisaプリペイドカードで使う形です。
入金・連携の対応状況(2026年8月確認)
| 三菱UFJ銀行からワンバンクへの入金・連携 | 対応 | 補足 |
|---|---|---|
| 銀行振込での入金 | ○ | 振込専用口座番号(入金用口座)にどの銀行からでも振込可。振込手数料は振込元銀行の設定次第(振込元=お客様負担、ワンバンク側の受取手数料はなし) |
| リアルタイム口座振替での入金 | ○ | 銀行口座からの入金に利用できる金融機関一覧に三菱UFJ銀行の掲載あり。1日あたり・1回あたりの入金上限は10万円 |
| セブン銀行ATMでの現金入金 | ○ | |
| 入出金履歴の取り込み | ○ | 入出金履歴を連携表示できる(自動更新は原則週1回。正式名称は口座連携) |
三菱UFJ銀行の口座からは、振込だけでなくリアルタイムでのチャージにも対応しています。1日・1回あたりの上限は10万円で、他の一部銀行の20万円より低めなので、まとまった額を入れたい場合は複数回に分けるか振込を使ってください。口座の履歴をアプリ上で自動的に把握したい場合は、入出金履歴の取り込み機能で表示できます。
ペアカードでの見え方
スーパーでどちらかが支払うと、原則、利用後すぐにもう一人のスマホへ通知が届き、履歴を共有できます。「いくら使った?」の確認や立て替えのメモが要りません。「旅行」「引っ越し」のように使い道が決まったお金は、目的別の「ポケット」に分けて貯められます。三菱UFJ銀行はワンバンクへのリアルタイム口座振替入金にも対応していますが、1日・1回あたり上限10万円です。代理人カードによる入出金は口座明細で確認できますが、引き出した現金の具体的な使途までは分かりません。一方、ワンバンクペアカードでは、カード決済の金額や加盟店などを原則利用後すぐに2人で確認できます。
代理人カード+定額自動送金とペアカードの比較
| 三菱UFJ銀行の代理人カード+定額自動送金 | ワンバンクのペアカード | |
|---|---|---|
| 2人目のカード | 代理人カード。発行は1名まで、キャッシュカード機能のみ | 2人それぞれの名義でVisaプリペイドカードを発行 |
| 始める手続き | 窓口へ行き、スーパーICカードとお届印を提示 | 申込みはアプリで完結(ICカードは配送後に利用開始) |
| やめる手続き | カードの種類により、アプリ(三菱UFJ銀行アプリ/かんたん手続アプリ)で手続きできる場合と窓口手続きが必要な場合がある | アプリから解約を申請し、パートナーの確認後に完了 |
| 支出の見え方 | 入出金は口座明細で確認できるが、引き出した現金の具体的な使途は分からない | カード決済の金額や加盟店などを原則利用後すぐに2人で確認できる |
| 毎月の自動入金・送金 | 定額自動送金で毎月一定額を自動振替。他行あて3万円未満319円・3万円以上605円 | 自動入金で毎月決めた日に定額を自動入金できる。三菱UFJ銀行はリアルタイム口座振替対応行のため銀行口座からの設定が可能 |
| 目的別の貯金 | 用意されていない(別途口座や貯金箱を分ける必要) | 「ポケット」機能で同じアプリ内に目的別に貯められる |
| 手数料 | 代理人カードの年会費・発行手数料は無料。定額自動送金は送金の都度、振込+取扱手数料がかかる | 振込入金そのものにワンバンク側の手数料はなく、振込元銀行の手数料次第。自動入金(銀行口座からの入金)はワンバンク側の手数料0円。ペアカード発行はICカードが1枚900円(初回発行・再発行とも、ふたり分で1,800円) |
対応可否や上限額は変わる可能性があるため、最新の条件はワンバンクアプリ内の金融機関一覧で確認してください。
よくある質問
Q. 三菱UFJ銀行で夫婦2人の名前が入った共同口座は作れますか。 作れません。日本の銀行では、2人の名前を並べた共同名義の口座は一般に取り扱いがありません。三菱UFJ銀行が用意しているのは、本人名義の口座にもう1枚キャッシュカード(代理人カード)を発行する仕組みです。
Q. 「家族カード」と「代理人カード」はどちらを申し込めばいいですか。 目的で分かれます。クレジットカードの支払いを家族と分担したいなら家族カード、口座のお金をキャッシュカードで引き出して分担したいなら代理人カードです。家族カードは配偶者・両親・子(高校生を除く満18歳以上)が対象で、本人会員が学生・未成年の場合は申し込めません。代理人カードは生計を同一にする親族1名(満16歳以上)が対象です。
Q. 代理人カードがあれば、パートナーの支出をリアルタイムで確認できますか。 できません。代理人カードは別のキャッシュカードとしてATMなどで使えるだけで、利用通知や支出の可視化機能はありません。共有したい場合は、口座と連携できるアプリなど別の仕組みを併用する必要があります。
参考・出典
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】代理人カードとは何ですか?」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】代理人カードの申し込み条件を教えてください。」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】代理人カードに年会費や発行手数料はかかりますか?」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】代理人カードを追加で申し込みたい。」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「代理人カードの紛失・盗難時の手続きは、誰が行えばよいですか。」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】家族カードとは何ですか。」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJ-VISA】家族カードの申込条件が知りたい。」
- 三菱UFJ銀行公式FAQ「【三菱UFJデビット】の家族カードはありますか?」
- 三菱UFJ銀行公式「定額自動送金サービス」
- 三菱UFJ銀行公式「振込手数料一覧」
- ワンバンク公式ヘルプ「銀行口座からの入金に利用できる金融機関一覧」
- ワンバンク公式ヘルプ「銀行振込(入金用口座)による入金」
- ワンバンク公式ヘルプ「口座連携(履歴取込)について」
- ワンバンク公式ページ「ペアカード」
- ワンバンク公式ヘルプ「ペアカードとは?」
- ワンバンク公式ヘルプ「ペアカードの解約方法」
- ワンバンク公式ヘルプ「自動入金とは」
- ワンバンク公式ヘルプ「ポケットとは?」
- Miroku Webcash International「対応機関一覧」
- ワンバンク公式ヘルプ「カード発行料一覧」
共同口座の作り方全般については夫婦・カップルの共有口座の作り方を解説した記事で解説しています。銀行ごとの共有口座・代理人カード制度を比較したい場合は、比較記事も参考にしてください。