日本の銀行では、2人の名前を並べた共同名義の口座は一般に取り扱いがありません(一般的な仕組みは夫婦・カップルの共有口座の作り方を解説した記事で解説しています)。楽天銀行には家族カード・代理人カードにあたる仕組みがなく、公式FAQは「家族カードはお取り扱いしていません」「キャッシュカード付帯の家族カードの取り扱いはございません」と明記しています。「家族カード」の名前を持つサービスは、同じ楽天グループの別会社が発行するクレジットカード「楽天カード」のほうで、銀行口座を分け合う仕組みではありません。
楽天銀行で口座を共有したい人の選択肢
楽天銀行に家族カード・代理人カードはない
楽天銀行の公式FAQ「家族カードの発行はできますか?」には、次のとおり明記されています。
家族カードはお取り扱いしていません。(中略)キャッシュカード付帯の家族カードの取り扱いはございません。
他行にある代理人カードのような、口座名義人以外が口座から直接出金・振込できる仕組みと混同しないよう注意してください。楽天銀行カード(キャッシュカード)自体も、楽天カードのサポートFAQで「家族カードはお取り扱いできません」と確認できます。ETCカードは1枚付帯できますが(年会費550円、税込)、これは名義人本人のETC利用機能です。
「家族カード」があるのは楽天カード(クレジットカード)
「楽天銀行 家族カード」で探している人の多くが本来求めているのは、楽天カード株式会社が発行するクレジットカード「楽天カード」の家族カード制度です。
申込対象は「18歳以上の生計をともにする配偶者(内縁の相手方・同性パートナー含む)・両親・子供」。婚姻していない同居パートナーでも生計が同一なら対象になり、サポートFAQでも「生計を同一にする同性パートナー様であれば、お申し込みが可能」と案内されています。申込時の続柄は「配偶者」を選びます。
家族カードは本カード会員の契約に付帯して発行され、利用可能額や支払いは本カード会員の契約にまとめられます。発行には楽天カード所定の審査があります。発行枚数は本カード1枚につき最大2枚(申込中・発行手続き中を含む)。年会費は楽天カード(通常)なら本会員・家族会員とも無料、楽天ゴールドカード・楽天プレミアムカードは1枚550円(税込)です。
ただし、これはクレジットカードの家族カードで、銀行口座を共有する仕組みではありません。利用代金は本カード会員の銀行口座からまとめて引き落とされます。
共同名義口座はそもそも作れない
日本の銀行は個人の口座名義人を1人に限定するのが通例で、楽天銀行の個人口座について、2人を名義人とする共同名義口座の提供は確認できません。共有したいなら、どちらか一方の名義の口座を「共有の財布」として運用し、もう一方が振込や自動送金で資金を移す形になります。
楽天銀行の自動入金・振込サービス
口座そのものを2人で持てなくても、資金の流れを自動化する手段は用意されています。
毎月おまかせ振込予約
「毎月おまかせ振込予約」は、登録した振込先口座(楽天銀行口座・他行口座)に毎月決まった日に決まった金額を自動で振り込む予約サービスです。本人名義の他行口座も登録でき、登録先は99件までです。
生活費を毎月パートナーの口座へ送る使い方も、振込先を登録すれば設定できます。ただし1日あたりの振込限度額は通常どおり適用され、実行日の限度額を超えるとその回は実行されずメッセージボックスで通知されます。実行するには限度額を引き上げて個別に通常振込を行う必要があるため、高額を送る予定があるなら限度額を事前に確認・変更しておきましょう。
手数料は他行宛て一律145円(税込)で、ハッピープログラムの無料回数の範囲内なら無料です。
ハッピープログラムの他行振込無料回数
楽天銀行の会員優遇プログラム「ハッピープログラム」では、会員ステージに応じて他行あて振込手数料の無料回数が変わります。
| 会員ステージ | 他行振込 無料回数(月) |
|---|---|
| ベーシック | 0回 |
| アドバンスト | 1回 |
| プレミアム | 2回 |
| VIP | 3回 |
| スーパーVIP | 3回 |
これとは別に、給与・賞与・年金の受取口座に楽天銀行を指定し実際に受け取りがあれば、ステージにかかわらず他行振込手数料が月3回無料になります。ステージ特典と受取特典の両方が対象になる月は、加算ではなく「多い方の回数のみ」進呈されます。無料回数は使い切れなかった分のうち2回分まで翌月に繰り越せ(保有上限は月5回分)、送金額にばらつきがある夫婦・カップルと相性がよい仕組みです。
毎月おまかせ振込予約とハッピープログラムの無料回数を組み合わせれば、生活費送金を手数料ゼロで自動化できる可能性があります。
できないこと・注意点
楽天銀行に家族カード・代理人カードはありません。 口座から直接パートナーが出金・振込できるキャッシュカードは発行されません。楽天カードの家族カードは信用供与(クレジット)の共有で、銀行口座の残高を共有する機能ではなく、利用代金は本カード会員の口座から引き落とされます。
楽天銀行の個人口座について、2人を名義人とする共同名義口座の提供は確認できません。 名義は必ずどちらか一方になります。
自動化はできても、リアルタイムの見える化はできません。 毎月おまかせ振込予約は「決まった日に決まった額を送る」自動化で、日々の支出を見える化する機能ではありません。楽天銀行はアプリだけで手続きが完結するネット専業銀行ですが、支出をパートナーと共有する機能は用意されていません。
名義人が亡くなった場合、口座は凍結されます。 銀行は死亡を把握した時点で口座を凍結し、相続手続きが完了するまで取引を制限するのが一般的な実務とされます。具体的な手続き・必要書類は個別の事情で変わるため、相続に関わる部分は専門家や楽天銀行の窓口に確認してください。
楽天銀行の「毎月おまかせ振込予約」を使えば、生活費を自動で送金する仕組みは作れます。ただし楽天銀行には家族カード・代理人カードの取り扱いがなく、口座そのものを2人で使う手段がありません。共同名義の口座も作れません。毎月おまかせ振込予約で送金を自動化できますが、送金後にパートナーが何に使ったかを送金元の口座から確認することはできません。この足りない部分を、口座はそのままに補う方法があります。
楽天銀行×ワンバンク併用の形
ワンバンクとは、ペアカードとは
ワンバンクは、夫婦やカップルが2人でお金を管理するためのアプリです。看板機能の「ペアカード」は、口座を分け合うのではなく、2人で1つの残高を共有し、それぞれの名義のVisaプリペイドカードで支払うサービスです。仕組みは3ステップで説明できます。
- 共同の残高に入金する
- 2人がそれぞれ自分名義のカードで支払う
- 原則、利用後すぐに2人のアプリへ通知され、履歴を共有できます
クレジットカードのような与信審査はありません(お申し込み時の本人確認は必要です)。申込みはアプリで完結します。本人確認後、バーチャルカードは最短1分で発行でき、ICカードは配送(平均5〜7日)後に利用開始手続きが必要です。
入金・連携の対応状況(2026年8月確認)
| 楽天銀行からワンバンクへの入金・連携 | 対応 | 補足 |
|---|---|---|
| 銀行振込での入金 | ○ | 振込専用口座番号(入金用口座)にどの銀行からでも振込可。振込手数料は振込元銀行の設定次第(振込元=お客様負担、ワンバンク側の受取手数料はなし) |
| リアルタイム口座振替での入金 | × | 銀行口座からの入金に利用できる金融機関一覧に楽天銀行の掲載なし |
| セブン銀行ATMでの現金入金 | ○ | |
| 入出金履歴の取り込み | ○ | 入出金履歴を連携表示できる(自動更新は原則週1回。正式名称は口座連携) |
楽天銀行の口座からリアルタイムでチャージすることはできませんが、振込なら入金できます。ワンバンクは全利用者に振込専用口座番号(GMOあおぞらネット銀行)を発行しており、楽天銀行を含むどの銀行からでもこの番号に振り込めば入金が完了するほか、セブン銀行ATMの現金入金にも対応しています。楽天銀行の口座残高を日々の支出管理に取り込みたい場合は、入出金履歴の取り込み機能でアプリ上に表示できます。
ペアカードでの見え方
コンビニでどちらかが支払うと、原則、利用後すぐにもう一人のスマホへ通知が届き、履歴を共有できます。「いくら使った?」の確認や立て替えのメモが要りません。「旅行」「引っ越し」のように使い道が決まったお金は、目的別の「ポケット」に分けて貯められます。楽天銀行は毎月おまかせ振込予約の設定自体はアプリで完結しますが、家族カード・代理人カードがなく、送金後にパートナーが何に使ったかを送金元の口座から確認することもできません。ペアカードは支払いのその場で2人に見えます。
楽天銀行の解決策とペアカードの比較
楽天銀行自体には家族カード・代理人カードの取り扱いがありません。最も近い解決策は「毎月おまかせ振込予約」による自動送金です。参考として楽天カード(クレジットカード)の家族カードも並べて比較します。
| 楽天銀行(家族カード・代理人カードなし)+毎月おまかせ振込予約 | ワンバンクのペアカード | |
|---|---|---|
| 2人目のカード・共有手段 | なし。「家族カードはお取り扱いしていません」と公式FAQに明記。参考: 楽天カードの家族カードは18歳以上の生計同一パートナー等が対象、1本会員につき最大2枚 | 2人それぞれの名義でVisaプリペイドカードを発行 |
| 始める・やめる手続き | 口座やカードを2人で共有する手段自体がない。毎月おまかせ振込予約の登録・解除はアプリ・インターネットバンキングで完結する | 申込みはアプリで完結(ICカードは配送後に利用開始)。解約もアプリから申請し、パートナーの確認後に完了 |
| 送金後の使途 | 毎月おまかせ振込予約は送金の自動化にとどまり、送金者からは確認できない | 原則、利用後すぐに通知・履歴共有 |
| 毎月の自動送金・入金 | 毎月おまかせ振込予約で決まった日に決まった額を送金。手数料145円(税込)、ハッピープログラムのステージ特典・受取特典の無料回数内なら無料 | 自動入金で毎月決めた日に定額を自動入金できるが、銀行口座からの設定はリアルタイム口座振替対応行に限る。楽天銀行は非対応のためクレジットカードでの自動入金が選択肢になる |
| 目的別の貯金 | 用意されていない | 「ポケット」機能で同じアプリ内に目的別に貯められる |
| 手数料 | 毎月おまかせ振込予約145円(税込)/回。ハッピープログラムの無料回数あり | 振込入金そのものにワンバンク側の手数料はなく、振込元銀行の手数料次第。自動入金(銀行口座からの入金)はワンバンク側の手数料0円。ペアカード発行はICカードが1枚900円(初回発行・再発行とも、ふたり分で1,800円) |
対応可否や上限額は変わる可能性があるため、最新の条件はワンバンクアプリ内の金融機関一覧で確認してください。
よくある質問
Q. 楽天銀行で家族カードは作れますか? 作れません。楽天銀行は公式に「家族カードはお取り扱いしていません」としています。「家族カード」があるのは、別会社が発行するクレジットカードの楽天カードで、口座とは別の仕組みです。
Q. 結婚していない同棲カップルでも楽天カードの家族カードは作れますか? 作れます。申込対象は「生計をともにする配偶者(内縁の相手方・同性パートナー含む)・両親・子供」で、婚姻の有無は条件になっていません。生計が同一であることが条件です。
Q. 楽天銀行で夫婦の口座を1つにまとめることはできますか? 楽天銀行の個人口座について、2人を名義人とする共同名義口座の提供は確認できません。必ずどちらか一方の名義になります。一方の口座を軸に「毎月おまかせ振込予約」で自動送金する、あるいは家計管理アプリを併用して残高感覚を共有する、という運用が代替策になります。
参考・出典
- ワンバンク公式ヘルプ「銀行振込(入金用口座)による入金」
- ワンバンク公式ヘルプ「銀行口座からの入金に利用できる金融機関一覧」
- ワンバンク公式ヘルプ「口座連携(履歴取込)について」
- ワンバンク公式ヘルプ「ペアカードとは?」
- ワンバンク公式ヘルプ「ペアカードの解約方法」
- ワンバンク公式ページ「ペアカード」
- ワンバンク公式ヘルプ「自動入金とは」
- ワンバンク公式ヘルプ「ポケットとは?」
- ワンバンク公式ヘルプ「カード発行料一覧」
共同口座の作り方全般については夫婦・同棲カップルの共有口座の作り方とは?で解説しています。銀行ごとの共有口座・代理人カード制度を比較したい場合は、比較記事も参考にしてください。